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電気工事の目安!電気設備の耐用年数とは?

 

建物の電気設備の電気工事をするにあたって一つの目安になるのが電気設備を構成する機械の耐用年数です。

 

しかし、装置によって異なっていたり、照明などの種類によってどのくらいの年数なのか分からないというケースが少なくありません。

 

そこで今回は、電気設備の耐用年数について解説し、まとめました。

 

電気工事の一つの目安!電気設備の法定耐用年数

建物を建設する場合、税金などの計算などに用いる視点から電気設備にも耐用年数が定められています。
これが電気設備の法定耐用年数です。

 

ただ、実質的な耐用年数と異なるケースもあるため、時期が来たら電気工事をしなければならないということはありません。
そのような電気設備の法定耐用年数は、次の通りです。

 

1・蓄電池電源設備 6年
2・そのほかのもの 15年

 

実は、電気設備については上記のように非常にシンプルになっています。

 

まず、蓄電池電源設備は、建物の予備バッテリーのことです。

 

一般家庭ではあまりありませんが、ビルや病院などでは停電時に照明用に使用する目的で蓄電池に充電されており、これを利用するための設備として設置されています。

 

バッテリー部分だけが該当するのではなく、充電器やバッテリーに至るまでに設置されている整流器(回転変流器を含む。)のほか、関連する配線、分電盤までを指します。

 

これらは法定耐用年数として6年という期間が設定されているのです。

 

一方、そのほかのものは蓄電池電源設備以外のすべての電気設備です。
工場に利用されている建物とそうでない建物に分かれており、次のように定義がされています。

 

工場に利用されている建物
1・電灯用配線施設および照明設備

 

工場以外の建物
1・受配電盤
2・変圧器
3・蓄電器
4・配電施設等の電気施設
5・電灯用配線施設および照明設備(器具および備品並びに機械装置に該当するものを除く。)
6・ホテル、劇場等が停電時等のために有する内燃力発電設備

 

工場では、照明関係以外にこの15年が適用されることはありません。
各機械や設備によって細かく耐用年数が設定されています。

 

なお一見、電気設備に見えない内燃力の設備(エンジンのような設備)も発電するという観点から電気設備に含まれます。

 

これらが法定耐用年数15年に設定されています。

 

実態も法定耐用年数に近い?電気設備の耐用年数とは?

法定耐用年数は、実態に即していない場合も少なくありません。
しかし、実際の電気設備の耐用年数も実は15年程度といわれています。

 

確かに利用頻度によっては、25年以上持つものもありますが、仕様環境によっては反対に早く故障が発生して電気工事をすることになることも少なくありません。

 

また、15年間故障もなくスムーズに動いていたとしても、耐用年数が過ぎると事故や故障の可能性が高くなることは確実です。

 

電気設備のキュービクルは詳細に寿命が設定されている。

電気工事で多く手掛けられるのはキュービクル(高圧受電設備)です。
工場や大きなビルなどに設置されているボックス状の電気設備ですが、更新目安が詳しく設定されています。

 

15年、20年、25年と設定されており、それぞれ見ていくと次のようになります。

 

25年で更新

1・断路器(DS):メンテナンス時に停電させる装置
2・計器用変圧器(VT):電圧を計測して電圧計に表示させる装置
3・計器用変流器(CT):高圧回路の電流を変える装置
4・高圧カットアウトスィッチ(PCS):配電路の開閉や負荷がかかるのを保護する装置
5・直列リアクトル(SR):高調波やコンデンサへの突入電流を抑制する装置
6・変圧器(T):高圧の電気を低圧の電気に切り替える装置
7・進相コンデンサ(SC):設備全体の力率と呼ばれる有効電力の割合をコントロールする装置

 

20年で更新

1・高圧ケーブル:電気設備内の送配電や配線をするケーブル
2・遮断器(CB):負荷電流を始めろする通常発生の電流を遮断する装置
3・高圧交流負荷開閉器(LBS):変圧器や真相コンデンサに取り付ける電源側にある装置
4・低圧開閉器:低圧回路でのショートや過負荷のタイミングで電流を遮断する装置

 

15年で更新する装置

1・柱上高圧気中開閉器(PAS):通常発生する電流の遮断装置

 

このように頻繁に使うものほど年数が短い傾向にあります。
また、頻繁に使う装置であっても耐久性を高めて更新するまでに時間がかかる装置もあるのが特徴です。

 

電気設備のメンテナンスも重要

電気設備は耐用年数が来るまで、そのまま放置するのはおすすめできません。
特にさきほど説明したキュービクルに関しては定期的な点検や交換を必ず行いましょう。

 

目安として、屋内に設置されたものであれば1~2年に1回、屋外に設置されている場合は、より高頻度に半年に1回のタイミングで点検を受けるのがおすすめです。

 

 

寿命が比較的長い部品で構成されているものの、工場や事業所の立地や環境、使用状況によって、想像以上に消耗している部品が出てくる場合もあります。

 

こういったトラブルを回避する意味でも、本格的な電気工事を受ける前にこまめなメンテナンスや点検を受けるのがおすすめです。

 

照明の電気設備も耐用年数を知っておこう

ここまで比較的大規模な施設の耐用年数を解説してきましたが、実は照明器具にも耐用年数があります。

 

例えば、最近飲食店をオープンさせた場合、LED照明を採用している方もいるかもしれませんが、この照明器具はおよそ10年が交換の目安です。

 

10年を超えると急に故障率が増しやすく、LED照明の場合はいきなり切れるといったこともあります。
そういった意味で10年に近づいてきたタイミングになったら交換を検討するようにしましょう。

 

また、LEDでない照明の寿命を迎えた場合、LED化を検討する方もいます。
その場合も有資格者による電気工事を受けることをおすすめします。

 

まとめ

電気工事が必要になる目安として耐用年数があります。
この耐用年数は法定耐用年数と実際の耐用年数で異なりますが、電気設備の場合は、かなり近い年数で耐用年数を迎えます。

 

そのため、日頃からメンテナンスや点検を受けるようにして、必要に応じて電気工事を依頼するようにしましょう。