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ー­電気工事の資格について:資格なしでできる電気工事の仕事は?ー

電気工事といえば一般的に第一種・第二種電気工事士や、電気主任技術者に認定される施工管理技士など資格試験を受験して、さらに技能試験などをパスしたうえで初めて携われるイメージがあります。
しかし、中には資格なしで電気工事に携われるケースも少なくありません。
そこで今回は、資格なしでできる電気工事の仕事について解説しましょう。

 

電気工事に資格なしで携われる仕事とは?

電気工事に資格なしで携われる仕事は、管理業務です。
つまり、材料の発注や工事の工程管理、安全対策といった業務になります。
ただし、無資格で電気工事の管理に携わるには条件があります。

 

現場に主任技術者や監理技術者のいることが条件

本人は無資格でも問題ありませんが、現場に主任技術者や監理技術者がいないと、管理業務に携われません。

まず、主任技術者とは2級電気工事施工管理技士がなれるものです。
施工管理技士とは、簡単にいうと現場監督などの管理をするための国家資格です。
また、監理技術者とは1級電気工事施工管理技士をいいます。
先ほど紹介した2級電気工事施工管理技士の上位資格であり、2級の人に比べると現場にいる確率は若干低くなります。

 

このような国家資格を持った人が同じ現場にいないと、無資格者は管理業務で電気工事に携われないのです。

 

では、実際の施工についてはどうなのか、次の項目で見ていきましょう。

 

電気工事の施工は無資格でもできる?

電気工事の施工は、結論をいうと無資格者ではできません。
その理由として次の点が挙げられます。

 

・電気工事士の資格がないと実際の業務はできない
・資格なしでできる電気工事はとても限定されている

 

電気工事士の資格がないと実際の業務はできない

制度的な面から見ると、電気工事士の資格がなければ、そもそも電気工事の実際の業務はできません。
また、電気工事士の資格を持っていても第二種電気工事士と第一種電気工事士とではできる工事の内容が違ってきます。
さらに、電気工事士の資格に加えて、別の資格が要求される工事さえあるのです。

 

このような事情を考えると無資格の人では電気工事の施工ができないと考えても良いでしょう。

 

資格なしでできる電気工事はとても限定されている

例外として資格なしでもできる電気工事もあります。
電気工事士法の電気工事に関する内容では「軽微な工事」は電気工事士の携わる電気工事から除外されています。
この軽微な工事の内容は、とても簡単な配線工事や、コンセントを接続する工事、ねじ止めする工事などです。
また、他の建設業と重なるような工事、例えば電柱の柱を設置する、地中電線用の穴を掘ったり、パイプを通したりする、といった作業が挙げられます。

 

これらの工事については、現場で施工できる電気工事の業務がかなり限定されてしまい、実質電気工事の施工に従事できない状態です。

 

電気工事に従事するなら第二種電気工事士の資格を取ろう

 

電気工事に従事する場合は資格を取得しましょう。

 

なぜ資格が必要か?

電気工事については、管理業務の場合、他の施工管理者の助手という形ではあるものの無資格で業務に携われます。
そして、のちのち施工管理技士の資格を取得すれば問題ありません。
しかし、直接施工に従事する場合、助手という形であっても資格を持っていることが望ましいといえます。
このような状況で取得したいのが第二種電気工事士の資格です。

 

誰でも受験できる第二種電気工事士

電気工事に従事できる資格として最も基本的な資格が第二種電気工事士です。
この資格は、小規模な電気工事、たとえば住宅の電気工事一式のほとんどが施工できる資格です。

 

電気工事関連の資格は、その多くが実務経験を取得要件としているため、電気工事会社などに入社して電気工事に従事しなければなりません。
しかし、第二種電気工事士については実務経験なしで受験できるメリットがあります。
そのようなメリットから、工業高校の電気科などでは高校在学中に取得することが推奨され、学科を挙げて受験対策をしている高校すらあります。
もちろん、それ以外の高専、専門学校、大学などでも取得が推奨されている資格です。

 

つまり、電気工事士の仕事をする場合や目指す場合、まずは第二種電気工事士の資格を取得することが前提となります。

 

第二種電気工事士の資格取得の注意点

受験資格が緩く、誰でも受験できる第二種電気工事士ですが、次のような注意点もあります。

 

・不合格者数が意外に多い
・実技試験もある
・取得して終わりではない

 

不合格者数が意外に多い

 

第二種電気工事士は不合格者数が意外に多い資格でもあります。
受験すればほとんどすべての人が合格する資格もありますが、第二種電気工事士の場合、その合格率は年度によるものの60%程度とされています。
そのため、受験すれば受かるという感覚で受験してしまうと簡単に不合格となってしまうので注意しましょう。

 

実際、工業高校などでは受験対策を十分に行ったうえで生徒に受験させています。

 

実技試験もある

 

第二種電気工事士は、施工に関する重要な業務に携わる資格です。
そのため、筆記試験だけでなく、技能試験という形で実技試験も行われています。
いくら筆記試験で満点であっても、技能試験の結果が悪ければ不合格となるので、事前に十分な実技試験対策を行ってから受験するようにしましょう。

そうすることで第二種電気工事士の合格も、より確実なものとなります。

 

取得して終わりではない

第二種電気工事士は、あくまで基本的な電気工事を業務として行えるようになる資格です。
そのため、第二種電気工事士だけでは施工できない工事も数多く存在するのも事実です。
たとえば、工場や高層ビル、大規模商業施設といった場所での電気工事は第二種電気工事士の資格で従事できません。
また、エレベーターやネオン看板も同様にこの資格だけではカバーしきれないのが現実です。

 

まずは第二種電気工事士の資格範囲内でできる工事に従事し、実務経験を積んだうえで、実務経験が受験資格となる他の電気工事関連の資格受験を検討しましょう。

 

まとめ

電気工事では資格なしでできる仕事があります。
しかし、今回紹介したように、その内容はかなり限定的であり、そこまで多いものではありません。
そのため、もし電気工事で本格的に従事したい場合は、ここで紹介した代表的な資格取得を目指しましょう。

 

電気工事会社によっては、資格取得の支援をしてくれる企業もあるので、気になる方は求人を出している電気工事会社に相談するのがおすすめです。