ーブレーカーの修理に関する電気工事を解説ー

日々の生活に欠かせない電気。特に冷暖房機器を多用する冬季や夏季には、ブレーカーが頻繁に落ちる事態に陥る可能性があります。

 

ブレーカーが頻繁に落ちてしまうと、日常生活に大きな不便をもたらすでしょう。ブレーカーが故障した場合にすぐに対応できるよう、修理工事がどのように行われるのか深く掘り下げていきます。

 

ブレーカーは問題なく機能していますか？

「キッチンのレンジとエアコンを同時に使うとブレーカーがすぐ落ちてしまう」「ブレーカーが頻繁に落ちるけど、その原因がわからない」

このような状況に直面している方は少なくないかもしれません。

 

何年も点検を怠っていると、ブレーカーに不具合が生じるおそれがあります。意外と知られていないかもしれませんが、ブレーカーには寿命が存在するからです。

 

使用頻度によって変わりますが、一般的にはブレーカーの寿命は約10年とされています。意外と短いと感じる方も多いでしょう。

 

もちろん、10年以上問題なくブレーカーを使用している家庭もありますが、ブレーカーが永遠に使えるわけではありません。使い続けると少しずつ老朽化し、最終的には寿命を迎えます。そのため、約10年ごとの点検がおすすめです。

 

ブレーカーの老朽化は危険を伴います

ブレーカーの点検をせずに老朽化を見逃し、放置するとどうなるでしょうか。

 

初期段階では「たまにブレーカーが落ちる」という程度かもしれません。しかし、老朽化が進むと次のような問題が発生する可能性があります。

 

漏電

ブレーカーの劣化は漏電の危険性を高めます。

 

ブレーカーは漏電を感知すると自動的に安全機能が作動しますが、その際に火花が出るかもしれません。長い間手入れされていないブレーカーにはホコリが溜まっており、そのホコリに引火すると火災が起きてしまいます。

 

漏電による火災は、個人宅から商業施設まであらゆる場所に発生する可能性があります。定期的なメンテナンスをあとまわしにすると、大きな被害につながるリスクがあるので注意しましょう。

 

故障

漏電ほど頻繁ではありませんが、点検せずに老朽化が進んだブレーカーは、突然故障するおそれもあります。

 

ブレーカーが故障した場合、修理が完了するまで電気が使用できなくなり、冷蔵庫などの家電製品が使えなくなります。

 

パソコンなどの電子機器も使用できなくなるため、定期的なメンテナンスによってブレーカーの故障を防ぎましょう。

 

ブレーカーの不具合：故障のサインとは

電気の供給に不可欠なブレーカーですが、次のような症状が見られる場合、故障の可能性があります。

 

ブレーカーからの異臭

ブレーカーが焦げ臭い、もしくはプラスチックが燃えるような匂いがする場合、ブレーカー内部の故障が進行しているかもしれません。

 

内部配線の損傷である可能性が高いので、早めに専門の電気工事業者に連絡しましょう。

 

異音

ブレーカーが正常に動作しており、異臭もない場合でも、変な音がするケースもあります。ブレーカーからの異音は、配線の問題である可能性が高いです。

 

特に異音が頻繁になった場合は、漏電などの大きな問題へと発展するおそれがあるため、すぐに専門家に相談しましょう。

 

さらに「ブレーカー本体に損傷やひびがある」「頻繁に落ちる」「新しい電球であっても電力供給が不安定な場合（チカチカする）」などは、ブレーカーの老朽化の兆候ですので、早めの点検がおすすめです。

 

このような症状以外にも、何か不審な点があれば、すぐに点検を行いましょう。

 

ブレーカーの点検や交換の電気工事費用

ブレーカーの点検を行う際の費用は、どの程度かかるのでしょうか。

 

点検だけなら1万円程度です。詳細な検査や修理が必要な場合は、追加費用がかかります。ブレーカーの分解や部品交換は、一般的に数千円程度となります。

 

また、ブレーカーの全面交換の場合、費用は機種などによってさまざまです。たとえば、一般家庭向けのオール電化ブレーカーは約3万円～ですが、太陽光発電などの最新型ブレーカーは10万円以上かかることもあります。

 

ご自宅の現在の電力状況に合わせた交換が必要であり、料金は施工内容によって大きく変動します。まずは専門業者に見積もりを依頼して、電気工事にかかる費用を把握しましょう。

 

ブレーカーのメンテナンスと修理は専門家への依頼が必要

ブレーカーの不具合が頻繁に起こると、自分で解決しようとする気持ちが芽生えます。

 

たとえば、ブレーカーの増設によって問題が解決すると考え、自分で対処しようとする方も見受けられます。ブレーカー本体はネットで簡単に購入できるため、DIYに挑戦しようとする方がいるかもしれません。

 

しかし、ブレーカーのメンテナンスや修理は、電気というリスクの伴う作業である点を忘れてはいけません。特に漏電している場合、電気に関する専門知識がない状態で作業を進めると、感電による重大な事故や火災のリスクが高まります。

 

ブレーカーに問題がある場合は、自ら電気工事を行うのではなく、電気工事のプロフェッショナルである電気工事士に依頼しましょう。

 

また電気工事は、法律で厳格に規制されており、電気工事士のみに認められています。無資格で家庭内の電気工事を行うと、3万円以下の罰金や3か月以下の懲役に処されることもあります。

 

電気工事は、コンセントの追加工事のような小規模なものであっても法律違反になる可能性があるため、注意が必要です。

 

ブレーカーを長持ちさせるためには？

ブレーカーの平均寿命は約10年とされていますが、適切に管理すれば長持ちする可能性があります。

 

特に以下のような状況にある場合は、定期的なメンテナンスを心がけ、ブレーカーの安全性を維持しましょう。

 

・ブレーカーが高温多湿の環境に設置されている
・害獣の被害が発生している
・すでにブレーカーを修理したことがある

 

その他、不具合を見つけたら早めに修理すると、劣化を最小限に抑えられます。

 

まとめ

本記事では、ブレーカーのトラブルや修理に関する電気工事の内容と費用について解説しました。

 

「もしかして、我が家のブレーカーも寿命かもしれない」と感じた方は、お気軽に点検をご依頼ください。漏電や感電事故を未然に防ぐためにも、経験豊富な電気工事業者への依頼をおすすめします。