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‐電気工事で用いる配管について~性質に注目した解説~‐


電気工事では電線管と呼ばれる形で配管を施工に用いる作業があります。

この配管は現場の状況や環境に応じて細かく使い分けることで適切な施工を行うことが重要です。

今回は、配管の種類において、素材と可とう性の有無に分けた4つの性質的な分類からそれぞれの特徴を解説しましょう。

電気工事で用いる配管の種類

電気工事で用いる配管の種類として、素材と機能の違いとして次の4つに大別できます。

・金属電線管
・金属製可とう電線管
・合成樹脂電線管
・合成樹脂可とう電線管

まず、金属か合成樹脂かによって性質が異なります。
金属だから必ずしも耐久性が高いというわけでもなく、かといって樹脂だからと言って弱いというわけでもありません。
その点についても後述します。

次に可とう性の有無です。
これは変形のしやすさです。
可とう性があるほど配管を自由に変形できますが、その分まっすぐに設置できません。

こういった2つの特徴の違いについて、4種類の配管で解説します。

金属電線管:汎用性の高い配管

金属電線管は、金属でできたストレートな配管です。
特徴として次のような点が挙げられます。

・厚さによって性質が変化する
・コストが変化する

厚さによって性質が変化する

電気工事に用いる金属電線管はとても汎用性が高い点が挙げられます。
それは製造時の厚さによってコントロールできます。
まず、尽くすることで高圧や特別高圧といった危険性の高い電線に対しても使用することができ、強い耐久性と耐候性を発揮します。

一方、薄くすることで軽量化が可能となり、耐久性は低下するものの扱いやすくなり、室内でも金属の強度を生かした運用が可能になります。

コストが変化する

コストも厚さによって変化します。
具体的には、溶融亜鉛メッキが施され、2.3mm以上の肉厚な金属電線管である厚鋼電線管は、同じ長さでもかなりコストが高くなります。
一方、室内で使用する肉厚が薄い薄鋼電線管は、耐候性に劣るものの安価に購入できるメリットがあります。

*合理的な選定が求められる金属電線管
金属電線管は、強度、耐久性、そして取得するためのコストが大きく異なります。
そのため、安易に金属電線管だからという理由で選択すると安全性や耐久性の面で大きな問題が生じます。
厚さによって全く逆の性質になってしまうため、設計する場合はコストと安全性、そして使用する場面を想定して最適な選択を行わなければなりません。

金属製可とう電線管:曲げられる金属配管

金属製の配管と言えば、加工が難しく曲げにくいイメージもあります。
しかし、中には可とう性を加えて曲げやすくしている金属配管も存在します。
こういった配管を金属製可とう電線管と呼び、ボックスの接続部や機器類の電源ボックスへの配管接続部に用いられている配管です。
特徴として次のような点が挙げられます。

・火災でも有害ガスが出にくい
・高い施工性

火災でも有害ガスが出にくい

可とう性は樹脂のイメージがあり、実際合成樹脂の配管が使用されることもありますが、合成樹脂との最大の違いとして有毒ガスの出にくさが挙げられます。
金属製可とう電線管は表面に亜鉛メッキをしている金属管のため、耐火性も高く、有毒ガスが出にくいという特徴もあります。
さらに樹脂の場合は溶けてしまうリスクもありますが、金属製可とう電線管の場合は、よほど高温にならないと溶けません。

高い施工性

金属製可とう電線管はまっすぐにしにくいものの、曲げるのはとても簡単です。
通常の金属電線管では難しい機器との配管接続部分も容易に行えて、従来施工されていた位置合わせの作業もスムーズで時短になります。
また、地震が起こった場合も振動によって外れにくく、むしろ振動を吸収する防災性に優れた性能を持っています。
実際、地震発生時のねじれに対する防災対策として「エキスパンションジョイント」を設ける際に金属製可とう電線管を使用することも珍しくありません。

*ニ種金属製可とう電線管が主流
JIS規格(日本産業規格)には二種類の金属製可とう電線管がありました。
それは、「一種金属製可とう電線管」と「ニ種金属製可とう電線管」です。
これらの電線管のうち、「一種金属製可とう電線管」は時代の流れなどの観点でJIS規格から廃止されています。
そのため、現在は「ニ種金属製可とう電線管」が主な配管として流通しているのが特徴です。

合成樹脂電線管:ストレートな樹脂製配管

合成樹脂による電線管もあります。
それが合成樹脂電線管で、主に硬質塩化ビニルを主体とした電線管として用いられています。
金属製配管に比べて耐衝撃性・耐候性・耐久性など強度が劣るものの、次のような特徴を持っている配管です。

・腐食しにくい
・軽量である
・加工しやすく安価

腐食しにくい

合成樹脂電線管は異種金属による腐食が発生しません。
もともと樹脂なので、そこまでの性能がないのも特徴です。
電磁誘導による発熱や損失もないことからメリットもあります。

軽量である

樹脂なので金属に比べるとかなり軽量です。
薄く軽量とされる金属管のねじなし電線管(E管)よりも軽量で扱いやすい特徴を持っています。
そのため、室内に大量の配管を一度に持ち込んだり、扱いがしやすいといったメリットもあります。

*加工しやすく安価
金属に比べてカットなどの加工がしやすく、施工するのに容易な特徴があります。
また、金属製に比べて安価なので、適した場所においては金属管よりも低コストで施工できます。

合成樹脂可とう電線管:曲がる電線管

合成樹脂の配管のうち、曲がる特徴を持っているのが合成樹脂可とう電線管です。
強度はかなり弱いものの、特徴として次のような点があります。

・加工がとても便利
・磁性部分がない

加工がとても便利

軽量なうえに曲げやすく、カッターでも簡単にカットできます。
そのため、工具を持ち込んだり、重機などで運んだりといった手間がありません。
とにかく施工するだけであれば、かなり便利な配管といえるでしょう。

磁性部分がない

磁性部分がないため、金属製の電線管に必要なボンディング(磁力をカットする加工)が不要なのもメリットです。

まとめ

電気工事を施工する際の基本的な流れとして最適な電線管の選択が挙げられます。
配線を包み込む重要な配管が電線管であり、適切な選択が求められます。
今回は、金属か樹脂かといった素材の特徴と変形しやすい可とう性の有無といった4つの分類によって解説しました。
選択によって使用する工具も異なり、施工方法も変わってくるため、それぞれの種類について特徴を十分理解しておきましょう。

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